BROLICH社製の軸馬力計は、その高い精度と長期にわたる信頼性で、世界の海運界で高い評価を得ています。BROLICH社は軸表面にかかるトルクとスラストを非接触式のひずみゲージセンサーで計測する新方式を開発し、1970年には初めてDDG HANSA社の”STERNENFELS”に採用され、以来船舶用軸馬力計測の新たな方式としてその地位を築いてきました。

 45年以上に亘って培ってきた経験(設計・品質・据付)により、今もBROLICH社のひずみゲージ方式の軸馬力計はもっとも信頼のおける船舶用軸馬力計として、世界中の多くの船に選ばれ続けています。

 本システムによって様々な喫水やスピード条件の下、トリムや可変チッピ角度を調整する事で最適な推進効率の実現が可能となり、そして最適な推進効率の維持こそが船舶の運航経費(燃料費)を改善し、省エネに大きく寄与していきます。また近年ではEEDI(エネルギー設計効率指標)の認証がルール化され、船舶の燃料消費率を算出する上でも軸馬力計による測定値を使用しなければならなくなりました。

製品紹介

 BROLICH社製の軸馬力計は船舶の主機推進軸の回転数・トルク・出力・消費エネルギーを正確に測定し表示します。本装置は、推進軸に接着固定されたひずみゲージ発信器が軸表面のねじり変形を検出することで作動します。軸のトルク変化に比例して、ゲージのホイートストンブリッジに連結された抵抗値が変化し、この変化を外部信号に変換します。ひずみゲージは軸にねじりが加わった時の歪みを検出する手段としては最も正確で安定しており、プロペラ軸に加わるトルク測定に適してします。軸とともに回転する検出器電子回路への電源供給及び測定信号は非接触で信号受信ユニットに送られます。また測定信号を受け、時間要素を加味する演算機能もBROLICH製品の特筆すべき特徴です。

 ディーゼル機関の場合、プロペラ軸は燃焼サイクルや気筒数に応じて、プロペラ翼周辺の水流脈動も加わり歪み変形を繰り返します。またプロペラ軸に作用する外力は複雑で一定のパターンが無く、加えて船体のローリングに応じて緩やかなトルク変動も起きます。従って連続した瞬間値を表示した場合、かなり上下動の激しい表示値となってしまいます。

 このように不安定なトルク信号を上下動の平均値として表示するために、脈動の一定時間内変化を演算要素に加え、周波数変調機能にリファレンスとしてゼロポイントを設定し、測定したトルク信号を調整します。一定の測定時間幅で集計された測定値から平均トルクを演算し表示します。また回転数測定結果と合わせて、出力及びエネルギー消費値も表示されます。回転数の検知は非接触式の近接スイッチにより、軸側に設けたスロットが回転毎に通過する時間を検出し算出します。ゼロ基準の自動算出方式はリアルタイムの回転軸における検出値と従来の設定値の双方から自動的に正確な新ゼロポイントを割り出してセットします。内蔵の演算機能で軸トルクのシミュレーションを行い、システムの作動チェックや精度チェックが可能です。

製品の特徴

  • 非接触信号・エネルギー伝達
  • 測定信号の積算
  • 1・4・24時間平均値の追加表示
  • デジタル式自動ゼロ点調整
  • NC方式による演算機能
  • 不揮発性データとパラメーターの記録保持
  • 4−20mA回線、またはRS485モジュールを介して既存の船舶制御システムへの容易な統合
  • NMEA0 183、または無線LAN通信
  • トルク・回転数の警報値設定
  • 長期間の制度と耐久性維持を実現したメンテナンスフリーシステム

主な利点

  • 正確な推進制御
  • 最適なトリムとピッチースピード相関性
  • 高性能なパフォーマンスの監視
  • 燃料消費量の削減
  • モジュール式フレキシブルデザイン
  • 過負荷表示
  • シンンプルで使いやすい